微妙な19のお題 01.ただ、偶然かもしれなかったあの瞬間 02.あの日から浮かぶのはいつも決まって 03.理由なんていりませんただ好きなんです 04.誰にもいえない、こんなことは。そう、あなたにも 05.ねぇ。その痛みはやっぱり、くるしいですか?/20090821 06.たくさんの好きと、たくさんの愛を、きみに 07.あともう少しだけおなじ夢を見たいな /20061124 08.手を伸ばせば、すぐにあなたに届く距離で 09.嫌い、だけど好き 嫌いだから、好き 10.この笑顔でいつまできみをはぐらかせるのでしょうか 11.今だけは背中を見ててあげるけど、いつかは 12.きみと共有するものは、空気とことばと、それともう一つ 13.約束をしよう、それはとてもはかないものかもしれないけど 14.まだ言葉というものに怯えたままのぼくから、 15.好きじゃない、なんて言っても 16.なかしたい。ないてほしい、ぼくだけのために 17.溢れ出てくるのはどろどろとした醜い感情 18.あなたという人が、自分だけのものになればいいのに 19.永遠にも似た、このひとときに /20070610
05.ねぇ。その痛みはやっぱり、くるしいですか?*リョウとゴヨウ 彼は自分がしているのは報われない不毛な恋だと言った。相手には既に思い人がいるだろうし彼よりも年下のその人が今更彼を好きになるなんて、ありえない、けれど、それでもまだ好きなのだと。 僕はそれを意図的に無視した。彼は僕を咎めはしなかった。唯彼の膝の上でエーフィが密かに鳴いただけだった。
07.あともう少しだけおなじ夢を見たいな*LJ ふたりして泣きながら弱々とキスを繰り返す。もう限界が近いだなんて口に出しはしないけれど、タカが外れたみたいに溢れ出す涙の所為で、もうばれていると思った。 それでもジェイドは何も言わないで、泣いている。普段は涙の一粒も見せないくせにこんな日だけしおらしくなりやがって。喚きもせず声を上げずに涙だけを零すのが、もう、どうしようもなく愛しくなってしまった。死ぬのが余計に辛い。でもジェイドが泣くのは俺の所為だから、俺も泣きながら慰めるように抱きしめてキスをした。 俺は消える。それまでの間、少しでも長く隣に居られればいいと思った。
19.永遠にも似た、このひとときに*PJ どこか遠くのほうで朝の声が聞こえた。窓から押し入る光は無遠慮にわたし達を照らす。いい加減起きなければいけない。昨日やり損ねた仕事が、今日のノルマと重なって随分な量になっているだろう。考えるとなかなかに憂鬱だった。 このまま朝日に気付かないふりをして、また寝入るのもありだろうか。いや、いけない。此処にいるのはわたし一人ではない。隣で穏やかな呼吸を繰り返しているその人は、わたしよりも多忙な人で、寝坊となればメイドの一人や二人が顔色を変えて飛んでくる。彼の気に入りの、しとやかな彼女が、血相を変えて鍵の掛かっていない扉を蹴り飛ばしたときには驚かされた。彼女ならば今鍵の掛かっている戸も蹴り開けそうで恐ろしい。 さて、そろそろ意識がはっきりとしてきた。 物品が散乱した棚の上に掛かっている時計が、かちりと密かな音を立てた。わたしは仰向けになって上半身を起こす。申し訳程度に羽織らされていた黒いインナーは、みっともないしわを作っていてうっかり外には出られないようだ。まあどうせ上着を着れば隠れてしまうのだけれど。 また長針が移動した。 隣で寝入ったままの人の肩を軽く揺する。 「陛下、起きてください」 「……なんだよ普通に起こしやがって」 「キスのひとつでもしますか?」 「まさか」 2006.11.24〜 |